舞台稽古見学 特派員レポート その5
遅くなりましたが、7月11日の舞台稽古見学、15人目の特派員レポートをアップ致します。
15名の特派員の皆さんによる舞台稽古見学。最後にお届けするのは、ムーンライトさんのレポートです。
どうぞ。
<特派員レポート⑮ ムーンライトさん>
普段なら何の緊張感もなく入る帝劇のロビー。けれどもこの日は違った。入口のスタッフの方に「舞台稽古特派員の方ですね」と言われた瞬間から緊張して頭が真っ白になった。初演で観て以来の『ミス・サイゴン』。観客として自分の中だけで反芻し、素直に感動していた一ファンにすぎない私。東宝社員の方ですら めったにできない舞台稽古の見学という機会をいただいたものの、現場の臨場感や感動を上手く伝えられるか不安になった。
案内されたのは劇場二階席。オペラグラスを持参しなかったことが悔やまれた。しかし常に全体を見渡すことができ、かえって良かったのかもしれない。何故ならこの日の劇場における舞台稽古の目的が、それまでに積み重ねられた各々のパート練習や音楽や照明等の組立作業、および最終確認だったからである。人が多く登場するシーンでの動線の確認。♪世界が終わる夜のように を歌いあげた後、キムとクリスがバルコニーにはけた時の立ち位置の確認。視線や細かい動きの確認等々。シーンの合間でカットが入ったり、照明や舞台装置や小道具の点検・確認作業が続く中、集中力を保ちつつベストのものを創り出していくのは相当な忍耐が必要である。待ち時間も多い中、細かい動きや変更を再確認しながら集中力を高める役者さんたちの真剣な様子。一つ一つの場面にこれ程多くの努力が成されていることを改めて知った。
場内が暗かったのでメモを採ることはやめてしまったが、演出のフレッド・ハンソン氏が稽古中におっしゃったことが今も心に残っている。それは、
「中断や確認作業が続くなかで、ずっと集中し続けるのは大変だ。ときに流してしまうこともあるかもしれない。しかし掴まえなければならない瞬間瞬間を決して失わないように」
ということ。
役者さんをはじめ音楽や照明、装置の方々が各々の感性で掴まえた「瞬間」というパーツの集大成を本公演で観られることを確信して、ぶち稽古の見学を終えた。








