10月22日夜の部 特別カーテンコール映像です
お待たせしました。
10月22日夜の部に行われました特別カーテンコールの模様を、お届けしたいと思います。
その前に、yorimoについて、ちょっとお願いがあります。
誤解されている方が多いようなのですが、読売新聞さんyorimo(ヨリモ)に掲載の「今日のミス・サイゴン」を書いているのは、ムラタではありません。
先日も触れましたように、yorimoは、『ミス・サイゴン』にご協賛いただいた読売新聞さんによる企画であり、yorimo担当者さんがインタビューや写真撮影、記事の執筆をされています。
ですので、「今日のミス・サイゴン」に関するご感想等は、この『ミス・サイゴン』公式ブログではなく、yorimoブログ宛に書き込んで下さいますよう、お願い致します。
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さて、今日の本題、10月22日夜の部カーテンコール、です。
この回では、エンジニア/別所哲也さん、キム/笹本玲奈さん、クリス/原田優一さん、ジョン/岡幸二郎さん、エレン/シルビア・グラブさん、トゥイ/神田恭兵さん、ジジ/菅谷真理恵さんの7人のプリンシパルと赤組アンサンブル30名も東京公演の最後を迎え、出演者全員による千穐楽特別カーテンコールとなったのでした。
なお、タム役の首藤勇星くんもラストだったのですが、法律により子役さんは21:00以降の出演が出来ませんので、カーテンコールは残念ながら欠席でした。
ダイジェスト映像は、前編・後編のふたつに分かれています。
前編は、開演前の舞台裏、カーテンコールに出られなかった首藤タムのコメント(子役は21:00以降の出演が法律で禁止されています)、プリンシパルおよびアンサンブル代表の挨拶、が含まれています。
後編は、別所さんがぐずぐず(笑)になってしまったカーテンコール後半の模様、みんなで歌おうアメリカン・ドリーム、そして終了後の乾杯などです。
それでは、ダイジェスト映像、どうぞご覧下さい。
<夜の部 特別カーテンコール:前編>
<夜の部 特別カーテンコール:後編>
夜の部特別カーテンコールも、昼の部同様30分ほど続きました。
その詳しい模様や、プリンシパル7名と赤組アンサンブル代表/川口竜也さんのご挨拶を知りたい、という方は、以下の詳細レポートをどうぞ。
ただし、これも長いです(笑)。
ゆっくり、じっくりお読みくださいませ。
<10月22日夜の部 特別カーテンコール 詳細レポート>
カーテンコール恒例の花投げが終わり、幕が降りても、お客様の拍手は鳴り止むどころかどんどん大きくなっていきます。
出演者全員が東京での千穐楽を迎えたこの公演。
幕が上がり、「祝・千秋楽」の大看板の下に出演者の姿が現れると、客席からは熱狂的な歓声とさらに大きな拍手がわき上がりました。
真っ赤なジャケット、エンジニア役の別所哲也さんが一歩進み出ると、満面の笑みで胸に手を当て、
「ありがとうございます」
とお客様に向かって繰り返します。
深々と頭を下げた別所さん、
「沢山の拍手をいただきまして、本当に感謝致します。本日、千穐楽を無事、終えることが出来ました。本当に皆様、ありがとうございます」
この言葉を合図に、出演者全員が客席のお客様に向かってお辞儀します。
そして、おもむろに別所さんが口を開きました。
<エンジニア/別所哲也さん 挨拶>
えー、7月からスタートしました『ミス・サイゴン』、4年ぶりの再々演という形になるんですが、私自身は、エンジニアとして4年前、関わってから、また、こうやって皆さんと一緒にこの作品に関われたこと、そして時間をご一緒出来たこと、ホントに感謝しております。
僕自身、この役…『レ・ミゼラブル』と同じ作曲家が書いた作品ではありますけれども、全然また趣きの違う作品で、挑戦しがいのある作品でした。
…はぁ…はぁ…はぁ…(と、肩で大きく息をして息切れ状態の別所さん)
…「アメリカン・ドリーム」を踊ったばかりで…こうやって息が上がるのも、4年分、ちょっと年をとったかな、と思うんですが(場内笑)。
…はぁ…えー、エンジニア…はぁ…エンジニアも戦争孤児だという想いを胸に秘めて、今回も、演じさせてもらったつもりです。ホントに、皆さんの温かい拍手で、一日一日一回一回、僕もこの作品と向き合うことができました。皆さんの拍手がなければ、勇気を持って、この作品に向かうことが出来なかったかもしれません。ホントに皆さん、僕を支えて下さいまして、また、この作品を支えて下さいまして、ありがとうございました。
お客様に向かって頭を垂れた別所さんは、後ろを振り返ります。
「今日、ここにいるメンバー全員が、この帝国劇場での『ミス・サイゴン』から旅立つことになります。僕たち、青組・赤組と呼んでいるアンサンブルの集団があるんですが、今回は、赤組の皆さんが、今日でホントに最後になりますね」
と紹介あって、
「ちょっと代表して、ね、リーダーに。川口さん!」
別所さんの呼びかけで、赤組リーダーの川口竜也さんが前に押し出されます。
突然のことに困ったような笑みを浮かべる川口さん、別所さんに背中を押され、恐縮しながら一歩前へと進み出ました。
<赤組アンサンブル代表、クラブ・オーナー/川口竜也さん 挨拶>
すいません、どうもありがとうございます。
我々赤組も、プリンシパルの皆様と一緒に、今日、千穐楽を迎えることとなりました。
一年近くかけて、皆で精一杯創って来て…。赤組はホントに仲が良くて、皆で力を合わせて頑張って来たつもりです。えー、その成果が皆様にお見せ出来たなら、嬉しいな、と思います。
また、博多の分も頑張りますけれども…えー、(別の作品で)皆様とお会いすることもあるかと思います。その時はまた、よろしくお願いします。
本日は、どうもありがとうございました。
後列に戻ろうとする川口さんと固く握手した別所さんは、他のプリンシパルと共にかがみ込み、
「アンサンブルの皆さんです」
と、後ろに並ぶ30人の赤組アンサンブルに拍手を送ったのでした。
そして、
「せっかくですから、プリンシパルの皆さんにも一言ずつ」
お客様から大きな拍手がわき上がります。
「それでは、まず、ジジ役の真理恵ちゃん」
「はい」
明快な返事と共に、菅谷さん、前に進み出て一礼します。
<ジジ/菅谷真理恵さん 挨拶>
えー、皆様、本日は、ご観劇ありがとうございます。ジジ役を演じさせていただきました、菅谷真理恵です。
…えっと…最年少、初舞台…何もかもが初めてのことだらけの舞台でしたが、力強い、心強い…私を支えてくれたキャストの皆さん、そしてスタッフの皆さん、それから毎回、温かい拍手を下さるお客様のお蔭で、こうして無事に東京での千穐楽を迎えることが出来ました。
…っと、ホントに、『ミス・サイゴン』という作品に出会えて、沢山の宝物を、私は手に入れることが出来ました。この宝物を胸に、博多でも、えー、そしてこれからも、頑張っていきたいと思います。
えっーと…ホントに今は、感謝の気持ちで一杯です。ありがとうございました(一礼)。
「“カッコいい”が目標なんです」と語っていた菅谷さんらしく、きっぱりとして、笑顔の素敵な挨拶でした。
「続いてはトゥイ、神田くん」
別所さんの紹介に、神田さんが前に出ます。
<トゥイ/ 神田恭兵さん 挨拶>
皆様、本日は、どうもありがとうございます。トゥイ役の神田恭兵です。
えー、もう、(菅谷)真理恵ちゃんが言ってくれた…皆様にホントに、もう感謝…ホントにもう、感謝感激で…毎日毎日、ホント、一公演一公演ずつ…えーっと、何て言うんですかね…濃さがどんどん増していくな、と…自分で、えっと、実感してました。それはもう、ホントにこの作品が素晴らしくて、もう、出てるのがホント夢のようでした。
もう、今日でこの帝国劇場、離れていってしまうんですけど…でもまた、いつかね…出れたらいいな、と思っております。
また、博多で演りますんで是非、見に来て下さい。ありがとうございました。
笑顔で頭を下げ、きびきびと下手の立ち位置に戻る神田さんでした。
それを眺めていた別所さん、上手側の岡さんに向き直り、しばし見詰め合った後に、しみじみと一言。
「初々しいねぇ」
これには場内から大きな笑い声が上がります。
「ホントに」
と岡さん、笑いながら応え、
「枯れちゃってますしね」
またまた笑いが起きるの中、
「初心に帰りましょう」
と別所さんが結び、岡さんは深く頷き返したのでした…。
この日の別所さん、千穐楽公演ですべてを出し切り過ぎたのか、なんだか妙なテンションf^^; で面白トークが続きます。
続くエレン役/シルビア・グラブさんの紹介で、
「…大変ベテランでいらっしゃいますけれども…」
と、これまた、ご本人も噴き出すMCを披露、です。すかさず岡さんが、
「ベテランに見えるね」
とフォローを入れると、別所さん、
「見える」
と言葉を重ね、思わずシルビアさんが、「ありがとうございます」と返す場面も。
「エレン…どうぞ、シルビアさんです」
<エレン/シルビア・グラブさん 挨拶>
エレン役を演らせていただいてます、シルビア・グラブです。どうも。
えー…オーディション…基本的に落ちまくっていた私が、『レ・ミゼラブル』をやっと十…八年目で、受かり…えー、『ミス・サイゴン』もやっと、結婚した後に受かりました(笑)。そして、まあ、奥さんという役を演らせていただいてるんですけれども…結婚した後に受かって良かったなぁ、と…あの、ホントに、深く…最近思います。主人に感謝、なんですけども…この…何て言うんでしょう…心情が、ちょっとだけでも解ったかなぁ、と(笑)。
で、私、皆様より1ヵ月遅れて、この『ミス・サイゴン』の舞台に立ったんですけども…直前まで、ダンヴァース夫人という恐ろしい役柄を演っていて…(客席からの大きな拍手に) ありがとうございます。…それまた、何かいろんな意味でダンヴァースからその…エレンという役に入るのにも、ものすごく苦労致しました。えー…ここでもう3ヶ月経って、やっと無事、東京公演千穐楽が迎えられたことを、ホントに感謝しております。
博多のほうにも是非…(後ろを振り返って、別所さんに日程を確認しながら)…3月十…?…15日まで…名古屋でも『レ・ミゼラブル』やってるんですけれども、3月15日まで、博多でこの『ミス・サイゴン』やっているので、是非是非、博多の方にも足を運んで下さい。ありがとうございます(一礼)
6月30日まで、シアタークリエの舞台で3ヶ月のロングラン公演『レベッカ』に出演していたシルビアさん。
亡き女主人レベッカを敬愛する余り、新たに女主人となったヒロイン「わたし」に冷淡な仕打ちを重ねる使用人頭ダンヴァース夫人に扮し、♪レベーッカーッ! と歌い上げる鬼気迫った歌声と演技が絶賛されましたが、その分、『サイゴン』カンパニーと共に稽古を重ねる時間が少なかったことで、1人に遅れてエレン初日を迎えるまでも、迎えてからも、傍目にはうかがいしれない様々な想いがあったのではないかと思います。
そんなシルビアさんの3ヶ月が、ふと垣間見れたような、深い想いを感じるご挨拶でした。
シルビアさんが列に下がると、別所さん、「さあ」と、岡さんに目線を移します。
岡さんは、何を言われるかと半ば笑いながら、別所さんの言葉待ち。
「もうね…沢山の作品に出てらっしゃって」
「何ですか?!(笑)」
「岡幸二郎さん、です」
<ジョン/岡幸二郎さん 挨拶>
えー、本日は、皆様、ご観劇ありがとうございます。
えー、まずは4ヶ月…明日まだ一日、残っていますが…毎日毎日足を運んでいただいて、温かい拍手を送って下さった皆様方、お礼を言いたいと思います。そして、私たち役者が気持ちよくこの舞台に立てせていただけるように、陰で仕事をし頑張って下さったスタッフの皆様にも、そしてオーケストラの皆様にも、ホントに心から、お礼を言いたいと思います。ありがとうございます。
えー…この…私、思いますに…この帝国劇場というのは、非常に…帝国劇場で上演される作品というのは、ある種こう、品格のある作品が残っていくものだ、と、ずっと常々思っています。この『ミス・サイゴン』も、そのひとつ。それから、16年間続きましたこの『ミス・サイゴン』、16年前からその質を保って来た先輩方、キャストの皆さん…それを引き継いで、品格と質を、このまま博多に持って行きたいと思います。
東京で熟成されたものが、博多でまた、どう花開くか。
来年の1月3日から3月15日まで、博多でやっております。今日観て、観足りないなぁ、と思ったら是非また、博多にお越し下さい。
私は、このジョンの役から、この4ヶ月で沢山のものを、また、いただきました。えー、今日で帝国劇場は終わってしまいますが、ジョンは、まだまだ続きます。家に帰って、色々考えることもあると思います。また新しいジョンとして、博多で蘇りたいと思います。
本日は、どうもありがとうございました(一礼)
この作品に限らず、先輩から受け継ぎ、次の世代へと引き継いでいく役割、というものについて、岡さんはこれまでも語っています。
この『ミス・サイゴン』でもまた、そうした役割を大切にしながら作品や劇場と向き合い、そして来年の博多公演に臨もうとする真摯な姿勢と熱意が、静かなご挨拶からひしひしと伝わって来るのでした。
そして次は、原田優一さんです。
「クリス、原田優一、です」
と別所さんに背中を押されるように前に出た原田さん。岡さん同様、静かに語り出しました。
<クリス/原田優一さん 挨拶>
えー…本日は、ご来場ありがとうございました。一番、キスの回数が多いクリス(場内爆笑)、原田優一です(ここで、後ろにいた笹本玲奈さん、大いに頷きます)。…僕的にはあんまり意識がないんですけども、あんまりにも皆さんがそうおっしゃるので、最後くらいは自分で言ってみました(場内、またまた爆笑)。
…えー、この4ヶ月間、ホントに、キャストの皆さん、スタッフの皆さん、それからオーケストラの皆さん…ホントに支えていただき、同時に、沢山のことを学ばせていただきました。そして、今日初めてご覧になったお客様も、もう帝劇に住民票を移した方がいいんじゃないかというお客様も(客席笑)、4ヶ月間、ホントにありがとうございました。
いつも、千穐楽の時には言ってることなんですけども…もし、皆さんの周りのお友達で、再三言っても一度も来やがらなかったお友達(この、ブラックなユーモア溢れる言い回しに、後ろの別所さんから「おいおい」とジェスチャーで突っ込みが入り、場内に笑い声が…)、いらっしゃいましたら、ロビーの方でパンフレット売ってますから、それを見せて、「良かったよ」「楽しかったよ」「凄かったよ」「何で来なかったの?」「ばかじゃないの?」とおっしゃって下さい(客席笑)。そして話が、来年1月から博多でやってるよ、っていうことに回ると、幸いでございます。
皆様のお越しをお待ちしております。中洲川端の博多座で、お待ちしております。
本日は、ありがとうございました(一礼)。
…念のため書きますが、
字面だけだと、「何、その言い方?」と思われる方もいらっしゃるかもですが、原田さん、あくまで明るく爽やか、言い回しはブラックながら、ユーモア溢れるご挨拶でした。
悪し様にお客様を批判したとか、そういうことでは決してありません。
くれぐれも誤解のないようお願いします。
客席にいらしたお客様は、このご挨拶に大爆笑、だったのです。
稚拙な文章ですので伝わりにくいと思いますが、ホントにホントに、このレポートでもって原田さんのお人柄を誤解することだけは、なさらないで下さいませ。
で、淡々とした表情で、英国紳士も真っ青(?)のブラックな笑いをまきおこした原田さんには、別所さんも、
「力強いお言葉、ありがとうございました」
と言葉をかけ、対する原田さんは全く相好を崩すことなく、これまた淡々と別所さんに目礼して、さらに客席の笑いを誘っていたのでした。
そしていよいよ、
「我らがキム、笹本玲奈です」
別所さんに肩をたたかれ、笹本玲奈さん、前に進みます。
<キム/笹本玲奈さん 挨拶>
ありがとうございます。笹本です。
えー…えー…(困ったように笑って)…あの、ホントに、キムを演じ…られて、凄く凄く幸せな4ヶ月であったんですけども…反対に、凄い苦しい4ヶ月でもあったな、って…今、思います。えー、ホントに毎回毎回、一回一回が試行錯誤の毎日で…何だか、悔しい思いをすることも沢山あったし…。
今日も、あの…トゥイを、ちょっと、いつもより早く撃っちゃったりなんかしちゃって…(苦笑しながら、後ろの神田さんに向かい)…ごめんね。どんなけ早く殺したいんだよ、って、ね(苦笑)。
…そう…とか、ね…もう、ホントに何か…失敗とかも、次の公演に活かせるような作品だったな、と思います。
あの、ホントに素敵なカンパニーでして…キムっていう役はいつも、舞台上でも袖でも、いつも走ってるんですけども…袖でこう、走りながら衣裳とかを着替えてる時に、アンサンブルの方が「フレー!フレー!」って応援してくれてたり、後は、私がゼイゼイ呼吸してると、背中ポンポンって叩いてくれたりとか…。凄い、人間って、あったかくて、何て優しい生き物なんだろう、って…本当に今回は、それを実感しました。
えー、スタッフの方にも、キャストの方にも、そしてお客様にも、ホントに支えられた4ヶ月間でした。
まだ、博多座があるんですけれども、私は1月のみ、の出演となってしまいまして。…なので、エンジニアの市村(正親)さんとか、あとエレンのRiRiKAさんとか、照井(裕隆)さんとか…クリスの照井さんとは、もう(舞台上で)会うことがないんですけれども…ホントに素敵な方と…皆様と共演出来て、幸せでした。
また、博多座でお待ちしています。ありがとうございました(一礼)。
ゆっくりと、言葉を選ぶように語った笹本さん。
涙はありませんでしたが、それだけに逆に、一言一言に凝縮された4ヶ月分の想いが感じられるご挨拶でした。
別所さんは、同じく千穐楽を迎えたタムの首藤勇星くんが子役のため舞台上にいられないことに触れた後、締めくくりの言葉に入ります。
「本当に皆さん、えー、この『レ・ミ』」
ん???
場内、一瞬固まります。
別所さん、慌てて、
「『レ・ミ』じゃない! 『ミス・サイゴン』!」
別所さんの常ならぬ慌てぶりに、場内はざわめき、舞台上の出演者から一斉に突っ込みが。
「えーーーーーっっっ?!」
「違うんです! 『レ・ミゼラブル』とはまた、一味もふた味も違った…」
岡さん、横から、
「苦しい、苦しい」
とダメ出し。
「この深い作品は、同じ作曲家で…っていうことを…僕は…」
話せば話すほど深みに(?)はまっていく別所さん。
岡さんが絶妙なタイミングで、
「まあ、何となく出来るけどね。ここらへん(と、プリンシパルを指して)で、ね」
この言葉に、お客様からどっと拍手がおき、空気もどっと和んだのでした。
別所さんは、本当に恐縮して、
「大変、失礼致しました」
と、客席そして舞台上の出演者にお詫び。
『ミス・サイゴン』と、大きな声で言い直した後、
「こうやって支えて下さって、本当にありがとうごさいます。
本当に…あの…真面目にこの、帝国劇場を離れるのは、僕たち、非常に寂しい思いもします。
帝国劇場のスタッフと共に、こうやって何度も何度も創り上げた作品。そして、帝国劇場に足を運んで下さったお客様と共に創った作品。この作品の本当に伝えたいメッセージを、今度は博多で、また更に大きく育てていきたいなと思っていますので、えー、博多に、美味しいもん食べたいな、と思って来られることがあったら、どうぞよろしくお願い致します。
ホントに今日は、皆さん、ご来場いただきましてありがとうございました」
と結びました。
この後、舞台上の出演者、客席のお客様、一緒になって全員で「アメリカン・ドリーム」を歌い踊り、特別カーテンコールの幕は降りました。
が、拍手は鳴り止むことなく、何度も幕が上がります。
登場する度、お客様に「ありがとうございます」と繰り返し謝意を述べていた別所さんは、何度目かの登場で、
「『ミス・サイゴン』、最高です!」
岡さん、またも突っ込み、
「レ?(笑)」
別所さんも笑いながら、
「『レ・ミゼラブル』も最高ですけど、同じ作曲家です。同じ、キャメロン・マッキントッシュ・プロダクションです。どうぞ2つの作品、両方とも愛していただければなと思います」
と締めくくって、お客様からの温かい拍手に包まれたのでした。
そして、特別カーテンコールにも、ついに本当に終わりの時が。
「ホントに皆さん、沢山の拍手をありがとうございます。ね、岡さん、ね」
別所さん、突如、岡さんに呼びかけます。
「はい?」
「皆さんね…もう、皆さんね…この後ね、どっかでね、お食事でもしていただいてね」
「自分が食べたいんでしょ?(笑)」
最後まで岡さんに突っ込まれていた別所さんでしたが、
「この後、美味しいお酒を、いただきに、ね…私たちも、行きたいと思います。これが、ホントに最後でございます。ホントに皆さん、拍手で支えていただいて、ありがとうございます。気をつけてお帰り下さいませ。またお会いできる日を楽しみにしております。今日は本当に、ありがとうございました」
こうして約30分にわたり続いた特別カーテンコールが終了し、舞台上で手締め・乾杯が行われました。
ロングランを無事に終えた安堵感からか涙涙の人もいましたが、出演者にのんびりする暇はありません。衣裳や小道具など、翌日の大千穐楽に出席するために必要なものだけは除いて、事前にスタッフから指示された通りにとりまとめ、返却場所に持って行かなければならないのです。
千穐楽に来て下さったお客様へのご挨拶や、楽屋の片付けもあり、誰も彼もがバタバタ、バタバタ…。
ようやく全てを終えて帰途につく出演者の表情には、晴れ晴れとした笑顔が浮かんでいたのでした。









